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【論文】タバコカスミカメは作物と天敵温存植物との間で結構動いている

日本の前職での共同研究の成果論文が下記で公開されました。筆頭著者は静岡県/宮崎大の中野亮平さんです。

Nakano R, Hinomoto N. Tracking the movement of Nesidiocoris tenuis among banker plants and crops in a tomato greenhouse by DNA markers of host plants. BioControl (in press)
https://rdcu.be/cg6CE

タバコカスミカメは、コナジラミ類などの捕食性天敵として注目されている天敵です。雑食性である種の植物のみを餌としても生存できるので、天敵温存植物を利用したバンカー法の構築が行われています。しかし、天敵温存植物から作物上へ移動するのかなど、これまで不明でした。そこで、植物種特異的PCRプライマーを開発して、それぞれの植物上から採集されたタバコカスミカメから検出を試みたところ、複数の植物種が検出されました。このことから、本種は施設内で結構動いていることがわかりました。ただし、検出率は植物種によって異なるので、それぞれ異なった役割があることも示唆されました。天敵温存植物を用いた天敵利用は、これからますます発展していくと期待されています。本手法は、その評価のために用いることができます。

Fig.2